Product Development Story
製品開発ストーリー
課題の先に、まだ誰も見たことのない答えを。
お客様から寄せられる課題は、一つとして同じものはありません。
TENSHOは、その声をそのまま製品化するのではなく、現場で培った知見と独自の発想を掛け合わせることで、
新たな価値へと進化させてきました。
幾度となく繰り返した試作、乗り越えてきた技術的な壁、そして「あったらいい」を「あってよかった」に変えるための情熱。
ここでは、製品が誕生するまでの知られざる開発ストーリーをご紹介します。
テンレイン・スクラム
開発ストーリー
STORY
02
積み重ねた技術が、独自の価値になる。
― 長年の経験から生まれた、TENSHOだけの雨水貯留浸透システム。
1992年。
TENSHOは、ある企業との共同開発を通じて、芝生を傷めずに緑化できるプラスチック製製品の製造をスタートさせました。
当時は、プラスチック射出成形技術を活かした新しい分野への挑戦でした。
その後も2000年には雨水関連製品である「浸透ブロック」のジョイントパーツ金型を自社で製作。
さらに2008〜2009年には、委託製造の依頼を受け、雨水貯留槽の開発・製造を担当することになります。
数多くの製品開発に携わる中で、TENSHOには確かな技術力とノウハウが積み重なっていきました。
しかし、その一方で大きな葛藤も抱えていました。
共同開発した製品は市場で評価されても、それはあくまでも委託製品。
契約上、自分たちのブランドとして販売することはできませんでした。
「これだけの技術があるのに、自社ブランドの商品がない。」
そんな想いは、開発メンバーの中で年々大きくなっていきました。
本当に欲しかったのは、自分たちの名前で勝負できる製品
長年培ってきた雨水貯留・浸透技術。
その技術を、自分たち自身のブランドとして世の中へ届けたい。
その決断が下されたのは2016年。
TENSHOは、自社ブランドによる雨水貯留浸透槽の開発プロジェクトを立ち上げます。
そのプロジェクトこそが、『テンレイン・スクラム』でした。
もちろん、単なる後発製品をつくるつもりはありません。
「今までにない構造で、より施工しやすく、より自由度が高く、より安心できる製品を。」
それが開発チームの目標でした。
常識を変える、
新しい構造への挑戦
開発チームが目を付けたのは、従来製品が抱えていた課題でした。
雨水貯留槽は、現場によって求められるサイズも形状も異なります。
さらに施工後の点検口の位置も、現場ごとに違います。
しかし従来構造では、その自由度に限界がありました。
そこでTENSHOは、一から新しい構造を考え直します。
そして生まれたのが、独自特許技術「スクラム工法」。
ユニット同士を高い剛性で連結しながら、必要な場所へ自由に点検口を設置できる革新的な構造でした。
施工性とメンテナンス性を同時に向上させる。
それは単なる改良ではなく、新しい発想による製品設計だったのです。
部品名称
テンレイン・スクラム工法
設計寸法基準
「テンレイン・スクラム工法」とは
隣り合うブロックとブロックの間に160mmの隙間を四方に設けつつ1㎡当りの樹脂量を減らし高い空隙率を確保する特許技術です。
水槽設計は以下の計算によります。
●水槽幅 = 0.74 × 設置列数 + 0.66(m)
●水槽高 = 0.60 ×(段数-1)+ 0.67(m)
段数
1段
2段
3段
4段
5段
高さ(m)
0.67
1.27
1.87
2.47
3.07
最大の壁は、
「軽くて、強い」という矛盾
しかし、本当の試練はここからでした。
ちょうどその頃、雨水貯留浸透技術協会では、新たな評価基準となるクリープ試験が導入されます。
長期間にわたり荷重がかかり続けても、十分な強度を維持できるか。
それまで以上に厳しい性能が求められる時代になっていました。
軽量化すれば施工しやすくなる。しかし軽くすれば強度が落ちる。
強度を高めれば重量もコストも増える…。
相反する条件を同時に満たさなければならない。
設計を変え、リブ形状を見直し、金型を修正し、試作品を作り、壊れるまで試験を繰り返す。また設計を見直す。その繰り返しでした。
一度や二度では終わりません。数え切れない試作と評価試験。
失敗するたびに原因を解析し、再び図面を引き直す。
決して派手ではない。
しかし、開発とはこうした地道な積み重ねの連続なのです。
積み重ねた時間は、
裏切らなかった
試験を重ねるたびに、製品は少しずつ理想へ近づいていきました。
構造はより強く。施工はより簡単に。点検はより自由に。
そして、軽量化と高強度という相反する課題もクリア。
長年培ってきた射出成形技術、構造設計、金型技術。そのすべてが一つの製品に集約されていきます。
そして2018年。
ついに、TENSHO独自ブランド『テンレイン・スクラム』は正式に販売を開始しました。
それは新製品の発売というだけではありません。
共同開発で培った技術を、自社ブランドという形で結実させた瞬間でもありました。
「技術をつくる会社」から、「価値を生み出す会社」へ。
テンレイン・スクラムは、単なる雨水貯留浸透槽ではありません。
そこには20年以上にわたり蓄積してきた技術。
数え切れない試作。
失敗を繰り返しながらも諦めなかった開発者たちの挑戦。
そして、「自分たちの技術を、自分たちのブランドとして世の中へ届けたい。」という想いが込められています。
共同開発で磨き上げた技術は、自社ブランドとして新たな価値を生み出しました。テンレイン・スクラムは、TENSHOが歩んできた技術の歴史そのもの。
これからも未来の社会インフラを支える製品として、その挑戦は続いていきます。
